自動スクリーニングは、問題を指摘することにかけては非常に優れたものになりました。AI生成、改変、画像盗用、自己盗用の疑いや、その他のチェックで図に疑問が呈されれば、レビュアーはどこを確認すべきかがわかります。しかし、指摘は作業の始まりであって、終わりではありません。
次のステップでは通常、著者にソース資料、つまりその図の元になったオリジナルファイルの提出を求めます。これは日常的な依頼であり、多くの場合は事態を落ち着かせる依頼でもあります。指摘された画像の多くは、不正行為ではなく誤りによるものだと判明するからです。しかし、多くのレビューはそこで行き詰まります。画像だけで全体像がわかることはまれで、特に有力な根拠のいくつかは、ほとんど誰も目を向けない場所に隠れています。それはソースファイルそのものの内部、つまり多くのレビュアーがこれまで実際に読み取る手段を持たなかったデータです。
この夏、私たちはまさにこの場面のためのツールを、学術誌の編集者、研究公正担当者、調査担当者の限られたグループに先行公開しました。そして本日、このツールがプラットフォームの一部になります。Source Inspector(画像メタデータ解析ツール)は、Proofig AIとOctymに搭載されたツールで、オリジナルの画像ファイルに埋め込まれたメタデータ、Content Credentials、AI使用のシグナルを読み取ります。これにより、研究公正のための画像メタデータ解析を、普段図をレビューしているのと同じ場所で行えるようになります。
プラットフォーム内で行う画像メタデータ解析
Source Inspectorは、Proofig AIとOctymの中にある独立したツールです。自動スクリーニングの仕組みを変えるものではなく、レビューのワークフローの一工程でもありません。画像ファイルが手元にあり、そのファイルに何が含まれているかを知る必要があるときに、いつでも使えるツールです。
主な用途は、指摘の後の場面です。図に疑問が呈され、著者にソースファイルを依頼し、そのオリジナルファイルをInspectorで解析する、という流れです。ただし、何かが指摘されたかどうかにかかわらず、1枚の画像や画像群全体の内部を確認する必要があるときには、いつでも同じように役立ちます。
ファイルは1点だけでも、一式まとめてでもアップロードできます。Inspectorはそれぞれのファイルに埋め込まれた情報を読み取り、検出結果をわかりやすい言葉で説明し、案件ファイルに添付できるダウンロード可能なレポートを作成します。
ファイルに埋め込まれている情報
画像ファイルには、ピクセルよりはるかに多くの情報が含まれています。Source Inspectorは、次の3つの層の情報を提示します。
- メタデータ全体。撮影に使われた装置やカメラ、ファイルを作成・保存したソフトウェア、撮影日時と更新日時のタイムスタンプ、GPS情報(存在する場合)、編集履歴(編集ツールが記録していた場合)。
- Content Credentials(C2PA)。画像がどのように作られたかを示す、暗号署名付きで改変を検知できる記録です。作成に使われたツール、記録された編集手順、署名がまだ有効かどうかが含まれます。科学画像でCredentialsが付いていることはまだまれで、主にAI生成ツールや最近のクリエイティブツールで作られたファイルに見られます。そしてそれこそが、レビュアーが探しているシグナルであることも少なくありません。
- AI使用のシグナル。AIツールがメタデータに残すマーカーと、生成ツールが残していた場合は実際の生成プロンプトです。ピクセルレベルの検出が返すのは確率ですが、埋め込まれたマーカーは記録として跡を残します。検出スコアが高いことが、取得時のオリジナルファイルを求める理由になるのはこのためです。
これは、多くのレビュアーが目にする機会のない情報です。Source Inspectorなら、アップロード1回で確認できます。
ファイル一式全体のパターン分析
1つのファイルを読み取るだけでも役に立ちます。一式をまとめて読み取ることで、Source Inspectorはさらに踏み込んだ分析を行います。
図の元になったソースファイルをすべてアップロードすると、Inspectorはその一式で典型的な特徴を把握し、当てはまらないファイルを提示します。ほかと一致しない撮影日。異なる装置。ほかのすべてのファイルにはあるのに、1つのファイルだけに欠けているメタデータ。
これが重要なのは、画像に何か問題がある場合、見た目はほかと変わらなくても、内部にはその兆候が現れることが多いからです。同じ顕微鏡で撮影された9枚の顕微鏡写真と、別の場所から来た1枚は、画面上では見分けがつかないことがあります。目で見れば同一。ファイルの内部では外れ値。そして、その外れ値がそもそも疑問を呈された図そのものだと判明したとき、この検出結果は特に大きな意味を持ちます。
手がかりは判定ではない
プラットフォーム上のすべてのシグナルと同様に、不整合は証明ではありません。メタデータは編集や削除が可能なため、Source Inspectorの検出結果は調査の手がかりであって、判定ではありません。問題が見つからなかったとしても画像の正しさが保証されるわけではなく、AIマーカーがないからといってAIの使用が否定されるわけでもありません。
だからこそ、調べるべきなのは投稿された図ではなく、ソースファイルなのです。Credentialsやメタデータは、スクリーンショットや再保存を経るとほとんど残りません。それらが保持されているのはオリジナルファイルです。同じ一式のほかのファイルにはメタデータが完全に残っているのに、何も残っていない状態で届いたファイルがあれば、それ自体が著者に確認する価値のある点です。Inspectorは次にどこを確認すべきかを示します。判断は引き続きレビュアーに委ねられます。
レビューに携わるすべての人のために
- 出版社と編集者は、ソースファイルの依頼を記録に残る検出結果につなげ、案件ファイル用のレポートをすぐに用意できます。
- 研究機関、研究公正担当者、倫理審査委員会は、研究室のオリジナルファイルを一式として比較し、どのファイルがパターンから外れているかを確認できます。
- 研究者は、投稿前にご自身のソースファイルに何が含まれているかを確認し、オリジナルファイルが精査に耐えうることを確かめられます。
設計段階からのプライバシー保護
Source Inspectorには、プラットフォーム上のほかのすべての機能と同じ保護が適用されます。すべての解析は、プライベートで安全なサーバー上で実行されます。原稿や画像が私たちのモデルの学習に使われることはなく、レポートの機密性は完全に保たれます。Proofig AIは、セキュリティ統制についてSOC 2監査を完了しています。
画像の信頼性が向かう先
検出は疑問を見つけます。Review Assistant(レビュー支援パネル)は、レビュアーがその疑問を理解する手助けをしてきました。Source Inspectorは、ファイル自体に記録された情報によって、その疑問に答える手助けをします。これらを組み合わせることで、画像の信頼性の確認は検出から判断、そして記録へと進みます。指摘は記録に残る検出結果となり、レビュアーの判断は印象ではなく根拠に基づくものになります。
次のレビューでお試しください
Source Inspectorは、Proofig AIとOctymで現在ご利用いただけます。ログインしてお試しいただくか、デモを依頼して実際の動作をご確認ください。