Proofig AIは画像の信頼性チェックの先へ:原稿全体をレビューするOctymのご紹介 →

投稿・査読プロセスの​変革:​AI導入における​Proofigの​役割

Abstract illustration of scientific image integrity with molecular visuals and microscopy patterns in cool tones.

学術出版の投稿・査読ワークフローにAIツールが導入されつつあり、手作業のプロセスではもはや追いつかない規模で品質チェックを担っています。画像の信頼性は、この流れの中でも独立した専門的な領域です。Proofig AIはここで明確な役割を担い、原稿が査読や出版に進む前に、画像に関する疑いのある問題を編集部のレビューのために提示します。

編集ワークフローへの負荷が高まっているのはなぜか?

学術出版全体で投稿数は増え続ける一方、編集部の対応能力には限りがあります。編集者や査読者が、すべての原稿のすべての図を手作業で調べることはできません。これは編集部の努力不足ではなく、構造的な現実です。見逃された画像の問題がもたらす影響は、広く知られています。2022年に出版された論文の約0.2%がすでに撤回されており、これは10年前のおよそ3倍の割合です。事例報告やRetraction Watchの画像改変アーカイブに記録されているとおり、これらの撤回の中には、改変や重複など画像に関する懸念が関わっているものもあります。

この問題は、出版前の段階でいっそう顕著に表れます。UKRIOの専門家インタビューで引用された画像の信頼性アナリスト、Jana Christopher氏によると、投稿原稿の約20〜35%が、編集部によるスクリーニングの段階で画像関連の問題を指摘されています。こうした指摘の多くは不正行為ではなく悪意のない誤りによるものであり、だからこそ、原稿が次の段階に進む前に人によるレビューが必要なのです。

これらの数字は、大規模に運営される学術誌にとって、体系的な自動スクリーニングが任意のものではないことを示しています。それは実務上の必須事項です。

画像の信頼性に専門的な注意を向けるべきなのはなぜか?

査読におけるAIをめぐる議論の多くは、テキストに焦点を当てています。盗用検出、AI生成文章の識別、参考文献のチェックには、いずれも多額の投資が行われてきました。これに対して画像の信頼性は、画像関連の問題が訂正や撤回の主な原因のひとつであるにもかかわらず、編集ワークフローの中で体系的な注意を向けられることが、これまで比較的少なかった領域です。

Research Integrity and Peer Review誌に掲載された査読付き研究(2025年)では、医学生831人と研究者26人を対象に、画像の重複を検出する能力が調べられました。学生が正しく特定できた重複は中央値でわずか29.4%、研究者は32.4%にとどまりました。その差は統計的に有意ではありませんでした。これは重要な点を浮き彫りにしています。ツールの支援がない人によるレビューは、訓練の程度にかかわらず、画像の信頼性に関わる問題の大半を見逃してしまうのです。

画像のスクリーニングは、独立した専門的な課題です。必要なのは、画像を二の次に扱う一般的な原稿品質保証ツールではなく、さまざまな種類の科学画像にわたって視覚的な不自然さを検出するために専用に設計されたツールです。Proofig AIは、まさにこの空白を埋めるために設計されました。

画像信頼性スクリーニングは実際に何を発見するのか?

Proofig AIには5つの中核機能があり、それぞれが画像の信頼性に関わる異なるカテゴリーのリスクに対応しています。下の表は、各機能の役割を編集実務の観点からまとめたものです。

機能 検出対象 編集者にとって重要な理由
画像の重複・再利用の検出 原稿内で重複または再利用された領域(拡大・縮小、回転、反転された画像や、部分的に重なり合う画像を含む) 図の作成時の誤りや偶発的な再利用を出版前に発見
画像の改変の検出 単一画像内の加工。クローニング(同一画像内の領域の複製)、切り貼り、削除、コンテンツに応じた編集などを含む データの解釈に影響しうる、疑いのある変更を提示
AI生成画像の識別 顕微鏡画像、組織像、ウェスタンブロット、医用画像などにわたる、AIモデルで作成された画像 基になるデータを正確に表していない可能性のあるAI生成の科学画像という、高まりつつある課題に対応
画像盗用(PubMedソース) 出版済みの原稿からの画像の再利用(PubMedの数千万点の画像と照合) 出版済みの文献からの画像盗用の可能性を特定
自己盗用の防止(My Database:独自の非公開画像リポジトリ) 個人用リポジトリとの照合による、研究者自身が過去に出版した画像の再利用 著者と編集者が意図しない自己盗用を防ぐのに役立つ

Proofigは、疑いのある問題を人によるレビューのために提示します。意図や不正行為について最終的な判断を下すことはありません。すべての判断は、引き続き編集者が行います。画像の問題の多くは意図せずに生じたもので、複雑なワークフローや共同研究者間の引き継ぎ、図の作成時の誤りを通じて入り込みます。投稿前と投稿時のスクリーニングは、学術誌と著者の双方を守ります。

誤検出の問題はどれほど深刻なのか?

自動スクリーニングについて編集者が抱く正当な懸念のひとつが、偽陽性です。ツールが過剰なノイズを生むと、レビュアーの時間を無駄にし、著者との間に摩擦を生みます。この懸念には、正面から答える価値があります。

Proofigの偽陽性率は、顕微鏡画像とウェスタンブロット画像の両方を含む大規模な実画像データセットで、非常に低いことが検証されています。実務上は、Proofigが項目を指摘した場合、編集者はそれを背景のノイズではなく、調べる価値のある意味のあるシグナルとして扱えるということです。この水準の特異度は、編集者がツールを信頼するうえで重要です。

Proofigは既存の編集ワークフローにどう組み込めるのか?

Proofigは、学術出版の編集ワークフロー管理で広く利用されているAries Systemsと連携しています。そのため学術誌は、システムを作り直すことなく、既存の投稿インフラに、自動化された画像の信頼性スクリーニングを追加できます。

より幅広い品質保証の仕組みを求める研究機関や出版社には、PubShieldが原稿の品質保証ハブとして機能します。PubShieldは、Proofig AIによる画像の信頼性チェックに、テキストの類似性スクリーニング(iThenticate搭載)、AI生成テキストの検出(Pangram搭載)、参考文献の信頼性分析(RefGuard搭載)、データ報告のコンプライアンス(DataSeer搭載)を組み合わせ、ひとつのダッシュボードにまとめています。この集約により、ログインの分散やワークフローの分断がなくなります。重要な点として、これらの各チェックは、PubShieldエコシステム内の専門パートナーツールによって提供されています。Proofig AIが担当するのは画像の信頼性であり、その他のチェックはそれぞれのパートナーが担当しています。

このアプローチをすでに採用しているのは?

Proofig AIは実験段階のツールではありません。数か月にわたる試験運用で、問題のある図を出版前に検出できることが示されたことを受け、2024年にScience誌とその姉妹誌の全6誌がProofigを導入しました。導入を発表した論説の中で、Science誌編集長のH. Holden Thorp氏は、Proofigを、Science誌が7年間テキスト盗用の検出に使用してきたiThenticateになぞらえています。

MDPIもProofig AIの採用を決め、編集プロセスを強化するために一部の学術誌でツールを導入しています。MDPIの技術イノベーション責任者であるMilos Cuculovic氏は、MDPIのブログで次のように述べています。「専門家の意見から、Proofig AIは群を抜いて最良の選択肢だと思われました。そして今、私たちはMDPIが出版する研究成果について、研究公正をさらに確かなものにし、その高い品質を保証しています」

これらは試験的な取り組みではなく、大手出版社による組織としての取り組みです。他の学術誌の編集者に対して、体系的な画像スクリーニングが目標の段階から実際の運用の段階へと移ったことを示しています。

編集者が押さえておくべきこと

体系的な画像スクリーニングは、もはや手作業を増やすことで規模を拡大できる業務ではありません。投稿数が増えるにつれ、編集者が目視で確認できる範囲と、実際に確認が必要な範囲との差は広がる一方です。Proofig AIのようなAIツールは、疑いのある問題が査読に、さらに悪い場合には出版後の精査の場に持ち込まれる前にそれを提示することで、この差を埋めるために存在しています。

目的は、編集上の判断を自動化することではありません。AIのほうがより一貫して、より大規模に処理できる検出作業ではなく、人による評価を必要とする判断に、編集者や査読者がその専門性を注げるようにすることです。ワークフローの早い段階で画像の信頼性チェックを組み込む編集者は、学術誌が拠りどころとする水準を維持しやすくなると同時に、学術誌の評判と、そこに投稿する研究者の双方を守ることができます。

関連記事